Japanese Association of Psychiatric Rehabilitation

学会紹介

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「入院医療中心から地域生活中心へ」

日本精神障害者リハビリテーション学会のホームページをご覧頂きありがとうございます。
当学会は、精神障害者のリハビリテーションについて専門的に研究しかつその実践の向上を図ることを目的に 創設された我が国では唯一の学術団体です。
平成5年に創設にされ、精神科医、ソーシャルワーカー、臨床心理士、 看護師、作業療法士などの会員からなる学際的団体です。

歴史的に見ると、リハビリテーションとは、もともと「復権」や「名誉回復」を意味する言葉であり、 不名誉を着せられたり、社会的に排除された者が再び社会に受け入れられることでした。現代的な意味でのリハビリ テーションの起源は、第一次世界大戦で戦傷を負った軍人に職業を斡旋するための戦傷者リハビリテーション法が アメリカで成立したことであると考えられています。次いで、第二次世界大戦において、多数の傷痍軍人の医学的 リハビリテーションを行った結果、治療期間を短縮するための医療的経験が蓄積され、医学的リハビリテーションの 学問的基礎が形成されました。 このように、リハビリテーションは、医学的リハビリテーションに限定されたものではなく、職業リハビリテーションを 含む広い概念です。ライト(Wright,G.N.)は、リハビリテーションには、医学的リハビリテーション、社会的リハビリ テーション、職業リハビリテーションの3つの分野があるとし、それらを含めてトータル・リハビリテーションと名付け ました。 彼は、その3つの分野を総合的に進める必要があることを強調しています。

ここで、精神疾患における治療概念とリハビリテーション概念の相違を明らかにするために、 疾病と障害との関係について述べたいと思います。

砂原は、脳卒中をモデルとして、疾病と障害を「火事と焼跡」に喩えています。脳出血という疾病は、 まさに火が燃え盛っている状態であり、出血を止めて救命するという治療が必要です。しかし、出血が止まって一命を 取り止めても、失語や麻痺といった焼跡に相当する障害が残ることがあります。彼は、この失われた機能を改善したり、 他の機能で補うことがリハビリテーションであるとしています。

1981年に、当学会の初代会長を務めた蜂矢は、この脳卒中をモデルとした考え方を統合失調症にも あてはめ、急性期の幻覚妄想状態や興奮状態を疾病とし、それらが消褪もしくは改善した後に起こる意欲減退や感情 鈍麻などの残遺状態を障害としました。しかし彼自身が指摘しているように、統合失調症の場合には、この区分には いくつかの問題があります。第1に、頻回に再発する例や慢性に進行する例に対しては、疾病が治った後の障害という 考え方が当てはまらないということです。第2に、もっと本質的なことですが、統合失調症の長い経過の後で意欲減退や 感情鈍麻などの重篤な残遺状態があっても、急性期に見られる幻覚や妄想が持続している例が少なくないことです。 そこで彼は、統合失調症では疾病と障害が共存しているとしました。この考え方は、医療の側からは統合失調症に対する 医療の敗北主義であり、医療の放棄につながるとする批判がなされました。その背景には、当時、「障害」の概念は 「廃疾」の概念に近いものであったことも影響していたと考えられます。蜂矢の統合失調症における「疾病と障害の共存」 という考え方は、統合失調症を単に医療の対象とするのみではなく、リハビリテーションと福祉の対象としても見直す 理論的根拠となりました。それが1987年における精神衛生法から精神保健法への改正の際に、精神障害者が福祉の対象と しても法律的に認知される基盤となりました。この「疾病と障害の共存」という考え方は、その後、法律と行政に広く 認知されるようになりました。それによって、今日では精神障害者は身体障害者および知的障害者と同じく障害者の中に 含められるようになり、障害者自立支援法および障害者雇用促進法における支援の対象となりました。

ここで「疾病と障害の共存」と言った場合、疾病には治療が必要であり、障害にはリハビリテーションが 必要です。このように、精神障害者には治療とリハビリテーションの両方が必要です。 当学会は、現在のところ次のような活動を通して、精神障害者のリハビリテーションを専門的に研究し、その実践の 向上に努力しています。
1) 年1回の学術大会の開催
2) 年2号専門誌「精神障害とリハビリテーション」を発行
3) 年2回研修会の開催
4) 学術図書の発行
その他、学会活動ではありませんが、多数の学会員が国や地方自治体の精神保健福祉に関する委員会や審議会の委員 として活躍しています。

平成14年12月、厚生労働省の精神保健福祉対策本部は「精神保健医療福祉の改革ビジョン」を発表し、 その中で「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的考え方を表明しました。したがって今後、精神障害者の地域 リハビリテーションが発展することと思われます。より多くの皆さんが当学会に入会され、精神障害者のリハビリテー ションの発展に寄与されることを期待します。(江畑敬介)

役員

2018年1月におこなわれた常任理事改選の選挙(配布数:1023人 投票数:414票 投票率:40.5%)に基づき、以下の20名が理事に選出されております。(任期:平成26年1月1日~平成28年12月31日)

常任理事名簿(20名)※2018年12月現在

  1. 伊藤順一郎|会長|メンタルヘルス診療所 しっぽふぁーれ 院長
  2. 池淵恵美|副会長/研究・実践|帝京大学医学部精神科学教室 教授
  3. 田中英樹|副会長/渉外|早稲田大学人間科学学術院 教授
  4. 相澤欽一|総務・企画|独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 障害者職業総合センター 主任研究員
  5. 浅見隆康|研修|群馬大学健康支援総合センター 産業医
  6. 安西信雄|研究・実践|帝京平成大学大学院臨床心理学研究科教授(科長)
  7. 安保寛明|研究・実践|山形県立保健医療大学保健医療学部看護学科 教授
  8. 岩崎香|大会|早稲田大学人間科学学術院 准教授
  9. 内野俊郎|大会|久留米大学久留米大学医学部神経精神医学講座准教授
  10. 後藤雅博|大会|医療法人恵生会南浜病院 院長
  11. 佐藤さやか|総務・企画|国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健相談研究室長
  12. 下平美智代|研修|国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 所沢市アウトリーチ支援チーム 
  13. 須藤友博|渉外|群馬県立精神医療センター 第一診療部長
  14. 高山千恵美|広報|社会福祉法人明清会伊勢崎地域活動支援センター相談支援事業所くるみ
  15. 西尾雅明|編集|東北福祉大学 総合福祉学部 社会福祉学科 教授
  16. 平賀昭信|研修
  17. 半澤節子|研究|自治医科大学看護学部教授
  18. 山口創生|編集|国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健サービス評価研究室長
  19. 山根寛|研究・実践
  20. 吉田光爾|事務局|東洋大学 ライフデザイン学部 生活支援学科 教授
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